私が失敗のない経歴を歩んできた理由
都庁辞めるまでの私の経歴は、華やかではないけど、それはもう堅実で「立派だね」って言われる感じのものでした。高校は地元の県立トップ校に行って、有名私立大学と大学院にストレートで入り、留年せず卒業し、新卒で都庁に就職。
見る人によっては、「失敗なんてしたことなんでしょ」って感じるくらいだと思います。(自分の中では挫折も失敗もいっぱいあったけどね。あくまで履歴書に残る部分の話。)
私が失敗してこなかったのは、もちろん努力してきたからだし、きっと運が手助けしてくれた部分もあるけど、もう一つ理由があることに気が付きました。
それは私が入都一年目のころ、同期や若手の先輩数人でお昼を食べていたとき。
雑談のなかで、それぞれがどうして東京都に入ったかの話になった。ある先輩は子供の頃から道路がつくりたかったから、公務員になる以外考えたことなかったという。道路を整備する部署にいるその先輩は、今の仕事はまさにやりたいことだと嬉しそうに話していた。
私はその先輩の話に嚙みついていた。
「そんな子供の頃の夢を叶える人はまれだ。」と。
私は幼い頃から図工や工作、裁縫等、ものづくりが好きだった。中学の頃から服に興味を持ち始め、高校生の頃、服が好きだから服に関する仕事に就きたいと思った。でも服飾系の仕事だと、デザインセンス・才能が必要。誰もがそれで食っていけるものではない、という理由でデザインの道は選ばなかった。
そんな話をした私に対して、その先輩は驚いたように言った。
「そんなこときにしてたの(笑)」
(笑)がついていたけど、別に私をバカにしているわけではなくて、そんなこと気にしなくて良いのに、と素直にびっくりしていた。
そのとき、自分でもふと思った。
あれ、私、そんなこと気にしてたんだ。
そう、私が失敗のない経歴を歩んできた理由は、なんでも成功させるスーパーマンだったわけではありません。「自分のやりたいことにすら挑戦せずに、安全で失敗しない道を選んで来たから」でした。
都庁を辞めた今、世間一般で言う「失敗のない経歴」からはどんどんかけ離れていく予感しかしません。こんな私を見て、陰で笑っている人もいるかもしれません。
でも、私は自信をもってこう言います。
私、失敗するかもしれないけど
絶対後悔しないので!!